【2027年度以降に4,600円以上?!】東京電力の今後の株価推移の予想【再稼働、復配、それからそれから】

東京電力の目標は事故前株価の約2倍~配当復活は通過点に過ぎない~

現在の東京電力の株価はバーゲンセール状態であり、極めて割安な水準です

フリはかねてより、2024年度に配当が復活すると予想しており、
配当が再開すれば株価は事故前の水準に戻ると考えています

しかし、東京電力としては株価を事故前の水準に戻すことが目標ではないようです

決して弱気になっているわけではありません
それどころか株価水準を事故前の約2倍にしようと考えています

今回は東京電力が掲げる目標と、目標に向けた取り組みを紹介しつつ
それらをベースに東京電力の今後の株価推移について予想をしてみました

東京電力の目標は2027年度以降に時価総額7.5兆円

東京電力が公表している統合報告書2019より、資料を以下に抜粋します

この資料中、中央に以下の文言が記載されていることが分かります

企業価値の向上
時価総額7.5兆円へ
機構保有の株式売却益4兆円を確保(優先株式1兆円を5兆円まで高める)

はっきりと時価総額7.5兆円を目指すことが記載されており、機構保有の株式についても売却益4兆円を確保すると明言されています

ちなみに、フリード研究室をご覧になっている方は既にご存知の方も多いかと思いますが、
この「売却益4兆円」を株価に換算すると、「株価1,500円」になります会計検査院の報告より)

2 検査の結果
(2) 機構による資金援助業務の実施状況等
イ 資金援助業務の実施状況
(中略)そして、除染費用相当分(約4.0兆円)を株式の売却益で回収するには、平均売却価額が1,500円になることが必要となる。
3 検査の結果に対する所見
(中略)東京電力の株式をできる限り早期に、かつ、高い価格で売却することは、国が交付した資金の早期の回収と国民負担の極小化に大きく貢献する。

色々な資料に散らばっている情報を整理して集約すると、情報が繋がっていることが分かります
断片的に描かれるストーリーが具体的なイメージを帯びて浮かび上がってきますね

また、統合報告書には以下の図も掲載されています

具体的なスケジュールとして2027年度以降という検討がされていることが分かります

つまり、これらの情報から東京電力は
2027年度以降、時価総額7.5兆円を目標としていることが読み取れます

これは、2011年に起きた事故前の東京電力の時価総額が約3兆円台であったことを考慮すると
株価水準を事故前の約2倍にすることを目標として掲げていることになります

そして、時価総額7.5兆円を株価換算すると4,600円以上になります
(先述した理由より、株価1,500円到達時に現在発行しているA種優先株式およびB種優先株式が売却され、発行株式数16億株(震災前の発行株式数)となることを想定)

目標に向けた取り組みについて

東京電力は2027年度以降、企業価値7.5兆円(株価換算:4,600円以上)を目標として様々な取り組みを推進しています

以下2つにざっくり分けて説明していきます

  • 現在(2020年)から原発再稼働、配当復活まで
  • さらなる企業価値向上施策

現在(2020年)から原発再稼働、配当復活まで

今後の株価推移のイメージ図に記載している原発再稼働と配当復活については、
別記事(原発再稼働配当復活)で詳細に説明していますので、ここでは要点のみ記載します

原発再稼働について

要点は以下2点です

原発再稼働の可能性

  • 経済産業省が作成した「第5次エネルギー基本計画」に原子力再稼働という記載
     (具体的に、2030年における電源構成を原子力20~22%で想定)
  • 東京電力の原子力発電所(原発)が再稼働間近という事実

原発はもともと高効率で発電できることが強みであり、
原発再稼働は東京電力の経営状況に大きなプラスの影響をもたらすと考えています

再稼働のコスト面での効果は約500~1,000億程度とも言われています

そして、以下の記事で詳しく記載していますが、
早ければ2021年6月に再稼働準備が整うことが東京電力の資料から読み取ることができます

上記の記事でさらに詳細に記載していますので、興味があればご覧頂ければと思います

配当復活(復配)について

要点は以下5点です

配当復活(復配)について

  • 多額の賠償金に関して、東京電力は返済義務がない
  • 機構が保有している東京電力の株について、売却金額が試算されている
  • 過去を参考に考える(スリーマイル島の原子力事故、ピーターリンチの名言)
  • 売上、利益、キャッシュフロー全て事故前の水準に回復している
  • 避難指示の全域解除が2023年春を予定

フリは、避難指示の全域解除が2023年春を予定していることから、2024年度に配当が復活すると考えています

これは、東京電力が掲げる福島の復興なくして東京電力の改革、再生はあり得ないという決意からも考えることができます

こちらについても上記の記事でさらに詳細に記載していますので、興味があればご覧頂ければと思います

さらなる企業価値向上施策

時価総額7.5兆円に向けて推進している様々な取り組みの一部を紹介したいと思います

JERA~世界最大級の発電会社が誕生~

JERAのHPより

東京電力は他社連携に積極的な姿勢を見せています
中でも目玉施策として注目を浴びたのが、燃料・火力発電部門において中部電力と連携を取り、
JERAという世界最大級の発電会社を誕生させたことです

JERAは東京電力と中部電力が、2015年4月に、燃料上流・調達から発電、電力・ガスの販売に至る一連のバリューチェーン全体を統合し、世界で戦うグローバルなエネルギー企業の創出を目指して設立した会社です。

JERAが生み出す発電量は、なんと日本全体の発電量の1/3を占めているのです

社名のJERAには、Japan Energy eRAに由来しており、
日本のエネルギーを新しい時代へという意味が込められているようです

ちなみに社名の由来は「日本( 【J】APAN )のエネルギー(【E】NERGY )を新しい時代(E【RA】 )へ。」という思いが込められています

東京電力と中部電力の事業の一部を統合することで
世界最大級の企業を誕生させてしまうあたり、両社の底知れぬポテンシャルが垣間見えますね

ガス市場への参戦

2017年4月に開始されたガスの自由化に伴い、
日本瓦斯とタッグを組んでガス市場へ参戦をしています

日本瓦斯と合同で東京エナジーアライアンスを設立、
2020年3月には契約件数200万件を達成しており、順調に事業拡大していることが読み取れます

東京電力エナジーパートナー株式会社(代表取締役社長:秋本 展秀、以下「東電EP」 )と日本瓦斯株式会社(代表取締役社長:和田 眞治、以下「ニチガス」)は、両社および東京エナジーアライアンス株式会社(代表取締役社長:小島 啓司、出資比率:東電EP(50%)・ニチガス(50%)、以下「TEA」)を通じた都市ガスのお客さま件数について、目標としていた200万件(2020年3月10日時点)を達成いたしました。

電力事業以外の異分野においても、事業領域を順調に拡大していますね

EV車両の推進

EV事業と電力会社はあまりイメージが繋がらないかもしれませんが、
東京電力は他の事業者に先駆けてEV事業に向けて様々な取り組みを行っています

EVの普及を促進するためにEV100やEV30@30キャンペーン等にいち早く加盟を表明しています

当社グループは、このたび、車両のゼロエミッション化を目指す国際イニシアティブ「EV100※1」に国内エネルギー企業として初めて加盟しました。
 また、2030年までに電気自動車(以下、EV)の新車販売台数シェア30%に向けて官民が協働する「EV30@30キャンペーン※2」にも加盟し、国内のエネルギー事業を担う企業として、関係機関等と協働し、EVの普及促進に取り組んでまいります。

さらに、中部電力と共同出資し、e-Mobility Powerを設立しています

東京電力ホールディングス株式会社(代表執行役社長:小早川 智明、本社:東京都千代田区、以下「東京電力HD」)および中部電力株式会社(代表取締役社長:勝野 哲、本社:名古屋市東区、以下「中部電力」)は、本日、次世代モビリティ社会を支える共同出資会社「株式会社e-Mobility Power(イーモビリティパワー)」(以下「e-Mobility Power」)を、本年10月1日を目途に設立することで合意いたしました。

そして、組織体制まで変更してEV推進体制の強靭化を図っています
その最たる例として、ホールディングス直下にEV推進室を設置したことが挙げられます

東京電力のEVに懸ける意気込みが伝わってきます・・!

当社は、本年10月1日に、新しい組織「EV推進室」を設置することといたしました。
 「EV推進室」は、当社グループの業務車両の電動化を推進するとともに、企業や自治体等が利用している業務車両、商用車の電動化の協働・支援や次世代のモビリティ社会を支える新しい事業領域の開発を行ってまいります。

そして、日本を代表する様々な事業者が集いEV車両の普及を促進するコンソーシアムに参画しています

本日、日本電信電話株式会社、株式会社日立製作所、株式会社リコー、東京電力ホールディングス株式会社の4社は、企業・団体等、合計40事業者(別紙1参照)にご賛同いただき、電動業務用車両の普及を目的とした「電動車活用推進コンソーシアム(以下、「コンソーシアム」)」を設立いたしました。

上述のように準備・体制を整え、現在はEV用の急速充電器の共同利用に関する実証実験を行っています

当社は、経済産業省が実施する2020年度「商用車を活用した物流MaaSの実現に向けた研究開発・実証事業※1(以下「物流MaaS」)」に応募し、本年7月に選定されております。
 このたび、実証準備が整ったことから、山梨県南アルプス市内において、11月16日より地域の企業・団体を対象とした電気自動車(以下「EV」)用急速充電器の共同利用に関する実証実験を開始いたします。

こうして時系列に並べて情報を整理すると、
凄まじいスピードで事業を進捗している様子が読み取れますね

東京電力の今後の株価予想

上述のように東京電力にとっては、配当復活は将来的な株価上昇の通過点でしかないようです

東京電力が掲げる目標時価総額を基に、今後の株価の推移について
フリが考えているイメージを以下の図にまとめてみました

あくまで予想ですので、参考程度にして頂ければと思います
(時価総額7.5兆円という数字は東京電力公式資料に記載されており、根拠のある数字です)

フリは図のような株価推移をイメージしているため、現在のように東京電力の株価が下落している場面でも悲しむどころか、むしろ喜んで買い増しを続けています

今後、何かしらの材料により一時的に株価が乱降下する場面になっても、
同様の理由でひたすら買い増しを続けようと考えています

(東京電力の資料中、「時価総額」と「企業価値」という文言が混在して使用されています
それぞれ意味が異なりますが、ここでは資料中の前後の文脈を汲み取り「時価総額」として考えました)

余談ですが一文で解説すると、企業価値=時価総額+負債価値になります

まとめ

東京電力の今後の株価を考えるうえで、ついつい配当が復活して、株価が事故前の水準に戻ることを最終目標と考えてしまいがちですが、東京電力はさらに高い株価水準を目標としていることが分かります

東京電力が掲げる目標時価総額は7.5兆円であり、株価換算で4,600円以上となる計算になります

これは、事故前の株価水準の約2倍に相当する株価です

そして東京電力は事故以前よりも強靭な経営体制を構築しつつ、着実に目標に向かって推進しています

改めて東京電力の現在の株価を振り返ると、200~300円前後を推移しています
まさにバーゲンセール状態と言ってもいいのではないでしょうか

このバーゲンセール、いつ終わるかは分かりませんが
購入できるうちにできるかぎり買い増ししたいと考えています

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参考になれば嬉しいです

ではではっ